弊社ベトナム合弁工場の実際の製造写真を使い、ロストワックス(精密鋳造)の全工程を19ステップでご紹介します。複雑な形状を高精度で量産できる鋳造法の流れを、成形から後処理・検査・梱包まで、ぜひご覧ください。
ワックスインジェクション
金型にワックスを注入し、製品の形状に成形します。最終製品の寸法精度を左右する、ロストワックス工程の出発点となる重要な工程です。
ワックスツリー成形
製品形状に合わせたワックスツリー(骨格となる木の枝状の構造)を成形します。後工程でワックスピースを取り付ける土台となります。
ワックス修正
成形されたワックスを1個ずつ手作業で確認し、バリや不要な突起を丁寧に除去します。この手仕上げが最終製品の品質精度に直結します。
ワックスツリー組付
修正済みのワックスピースを、こてを使って手作業でツリーに組み付けます。製品の配置や接合角度の精度が、後の鋳込み品質に大きく影響します。
ワックス洗浄
組み付けが完了したワックスツリーを洗浄し、表面の汚れや油分を除去します。
シェルモールド製作
スラリー(泥)と砂を交互に塗布してワックスをコーティングし、鋳型(シェルモールド)を製作します。コーティングと乾燥を4〜6回繰り返します。
シェルモールド乾燥
塗布したスラリーを乾燥させて固化します。ワックスは温度・湿度の影響を受けやすいため、乾燥室の環境を一定に管理することが高品質な製品を作る鍵です。
脱ロー(ワックス抜き)
固化したシェルモールドを加熱し、内部のワックスを溶かして取り出します。これによりシェルモールドの内部に製品形状の空洞が完成します。「ロストワックス」という名称はこの工程に由来します。
焼成(シェルモールドを固める)
空洞化したシェルモールドを高温で焼成し、さらに強度を高めます。溶湯の注入圧力と熱に耐えられる鋳型に仕上げるための重要な工程です。
鋳込み(注湯)
焼成済みのシェルモールドへ、溶解した金属(溶湯)を流し込みます。精密鋳造の核心となる工程で、溶湯の温度管理と注湯速度が製品品質を決定します。
型ばらし
金属が凝固したら、粉砕機でシェルモールドを破砕して製品を取り出します。シェルモールドは使い捨てのため、毎回新しいシェルモールドを製作します。
切割(ツリーから切り離し)
ツリーに付いた状態で取り出された製品を、1個ずつ切り離します。切断位置と角度を一定に管理することで、次の研磨工程の負担を最小化します。
湯口研磨
切り離し時に製品に残ったツリーの痕(湯口)を1個ずつ研磨して仕上げます。
ショットブラスト
微細な鋼球やセラミックビーズを高速で製品表面に噴射し、鋳造時の酸化スケールや残留物を除去します。
不働態被膜処理(酸洗)
酸洗浴に浸漬し、表面の酸化被膜や不純物を除去したうえで不働態被膜を形成させます。ステンレス本来の耐食性を最大限に引き出すための仕上げ処理です。
機械加工
図面公差に合わせ、旋盤やマシニングセンタでねじ加工・穴あけ・面出しなどの二次加工を行います。鋳造では出せない精密な寸法を実現します。
検品
寸法検査・外観検査を行います。
マーキング
検査に合格した製品にロット番号や規格表示などを刻印・印字し、トレーサビリティを確保します。
梱包
検査・マーキングを終えた製品を、輸送中の破損や発錆を防ぐ仕様で丁寧に梱包し、出荷準備を整えます。
